2025年06月22日
昨年につづき、今年も当場からセレクトセール当歳に合格馬が出ています。
今年は当場から1頭のみの申込でしたが、アメージングムーンの2025(牡、父イクイノックス)が合格してくれました。
本馬の牝系解説文はこちらからご参照ください。
※2025年6月18日撮影
【誕生時】58kg 【6月23日現在】245kg
本馬は今年の当場生産における当歳馬のなかで、最も早く生まれた馬です。
すでに複数組の下見のお客様にご視察いただいていますが、他の牧場さんでも複数のイクイノックス産駒を見ているお客様によると、彼の産駒にはさまざまなタイプがいる模様。
そのなかにあって、少なくとも本馬は比較的しっかりとした馬体のつくりをしているタイプだと言えます。
誕生時や月齢を考慮した現在の馬体重を比較しても、標準よりやや大きめのサイズだと考えます。
本馬の配合においてはモデルになった馬がいて、それが現2歳の半兄スワーヴマルス(父キタサンブラック)です。
彼は、2023年のセレクトセール当歳に上場して1億9000万円(税抜き)で落札していただいた馬です。
生産した当場としても非凡な馬体をしている馬だと感じていましたし、良血馬・高額馬が多数上場されるセレクトセールに上場しても恥ずかしくない当歳牡馬だと思っていました。
結果、当場が予想した以上の評価をいただき現在の馬主様に落札いただきましたが、今回の当歳牡馬も良い出来で生まれてくれました。
父イクイノックス自身の競走成績は素晴らしいものであり、特に最後のレースとなったG1ジャパンCまでG1を6連勝したのは圧巻でした。
彼自身の血統パターンには彼の2代父であるブラックタイドと、彼の母父キングヘイローによる相似クロスの関係があります。
互いにHalo、Lyphard、Sir Ivorの血を持つ点で共通しています。
かなりの相似な血の関係ですが、当場でも国内外のG2を4勝してくれたディープボンドでこの配合パターンを試して成功しています。
ディープボンドの2代父ディープインパクトはブラックタイドの全弟であり、ディープボンドの母父はイクイノックスと同じくキングヘイローという関係です。
本馬とディープボンドは同じモガミヒメ牝系の出身であることも考慮すると、本馬とディープボンドは血統パターンが似ています。
いずれもディープインパクト(ブラックタイド)、キングヘイローそしてモガミヒメの血を持つ点で共通しています。
当場の特徴とも言えるモガミヒメ牝系に対してキングヘイローの血が合うことは、この牝系からキングヘイローの代表産駒の一頭であるローレルゲレイロや、他にもJRAで複数頭の勝ち馬が出ていることでその相性の良さが証明されています。
血統的な観点からも、キングヘイローとモガミヒメの血は相性が良いと考えています。
ここでは割愛しますが、両者の血統的関係は当場の旧ブログで以前紹介しているので、興味のある方は下記のリンクからご参照ください。
このように、キタサンブラック産駒の半兄の出来だけでなく、キタサンブラックにキングヘイローの血が加わったイクイノックスとの血統的相性も考慮して本馬が誕生しました。
牡馬らしいしっかりとした馬体と、人懐っこい気性を備えた当歳牡馬です。
昼夜放牧が始まり、下見のお客様に何度も視察していただくなかで、当歳馬ながらその振る舞いにも少しずつ成長が見られるようになってきました。
この記事を執筆している時点で、セール当日まで約3週間となりました。
当場としても、本番当日に立派な馬体で皆様にご覧いただけるように今後も飼養管理に努めてまいります。
本馬に関してお問い合わせがございましたら、牧場公式サイトからご連絡いただくか、当ブログに連絡先を添えてコメント欄にご記入くださるようお願いいたします。
当場から折り返し連絡させていただきます。