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2025年12月08日
12月7日(日)の阪神第4R2歳未勝利戦(芝2000)に、当場生産馬のマテンロウゼロ号が出走しました。

新馬戦6着、次戦7着と掲示板外だったマテンロウゼロでしたが、内容的にはそこまで悪くないように感じていました。
3走目となる今回は8頭立ての4番人気でした。
程よくスタートを決めたマテンロウゼロは、最初のコーナーの入りを3~4番手の位置で迎えます。
終始中団で折り合うなかで、内目のコースを取りながら3~4コーナーへ。
最終コーナーを迎えるあたりから徐々に進出していって、直線では鞍上の横山典弘騎手が最内のコースを選んでグングンと伸びていきます。
一気に先頭に躍り出ると、最後は2着馬を1/2馬身差退けて優勝しました。
馬主様をはじめ関係者の皆さま優勝おめでとうございます。
本馬は、父がリオンリオンということもあり、彼の現役時と同じ馬主様に庭先にてご購買いただきました。
半兄に地方重賞3勝のミトノユニヴァース、叔父には国内外重賞4勝のディープボンドがいるなど、当場で育てているモガミヒメ牝系の出身になります。
2歳のうちに芝2000での勝ち上がりとなったため、この先は3歳クラシックも含めた芝中距離路線が視野に入ってくるはず。
レース後の関係者の話しによると、問題がなければ年内にもう1走の可能性もありそうです。
当歳時から額にハートマークがあって可愛らしい一方で、バランスの良いシルエットが特長的な牡馬でした。
この先も順調に成長して、上のクラスでも通用するような走りを期待したいと思います。
2025年09月21日
9月16日セプテンバーセール2日目に、当場生産馬の№328タイセイアヴァンセの2025を上場いたしました。
結果、(株)ヒルノさまにご購買いただきました。
ご購買いただきました馬主様ならびに関係者の皆さま、誠にありがとうございました。
今回のセプテンバーセールの3日間開催のうち、初日の9月15日に関してはJRAの競馬開催日と重なっていました。
2日目と3日目の売却率が80%を越えるなか、この日程が関係してか初日の売却率は73%程度にとどまり、他の2日間との比較では10%近い差がありました。
いずれ関係者の方々によって分析はされるでしょうが、セプテンバーセールをいかに充実させるかについては今後も議論されていくことと思います。
セールにおける購買者の方々の購買意欲が強い時代が訪れている分、セール主催者や上場者の方々も、より一層お客様にご満足いただけるようなセールにしなければならないと感じていることでしょう。
当然、当場も魅力ある当歳・1歳馬を上場できるように今後も努力する所存です。
本馬の落札によって、ありがたいことに今年の1歳世代については行き先がすべて決定しました。
当場内での離乳も進んでおり、その大半は中期育成場への移動が完了しています。
これら当歳世代の馬体のつくりや成長具合を吟味しながら、どのセールに申し込むべきかを判断して、また来年の1歳馬セールに臨むことになるでしょう。
一方で、これはセールに直接は関係ありませんが、今年の当歳世代においてはターファイト・ローレルの各クラブに対するクラブ募集馬をまだ提供しておりません。
近年、当場提供馬のクラブ成績の不振が続いており、牧場内で方針を変える必要があると結論付けました。
具体的には、この当歳世代からもクラブ提供することは既定路線であるものの、彼らの成長を良く見守りながら1歳時になってどの馬を提供するかを決めようと思っています。
候補馬はいるものの、より慎重に成長具合を吟味して、クラブ提供にふさわしい馬を選定するつもりです。
クラブ提供馬の成績向上は、当場においては必ず改善しなければならない課題の一つなので、今まで以上に真摯に取り組んでいきます。
2025年09月13日
来週からセプテンバーセールが開催されます。
当場からは№328タイセイアヴァンセの2024(牡、父ジャンダルム)を上場いたします。
本馬の牝系解説文(ブラックタイプ)はこちらからご参照ください。





【9月3日現在】体高152cm 胸囲175cm 管囲19.3cm 馬体重422kg
当場ではこの時期、当歳馬の離乳が次々と始まっていて中期育成場の放牧地を空けなければならないことから、1歳世代は当場からすべて移動済みです。
結果的に、本馬が1歳分場で1頭になってしまうことから、8月には育成公社さんへセリ馴致をお願いするために移動しています。
当場内の他の1歳世代に比べると少し小柄だったため、このセプテンバーセールまで上場を待つことにしました。
育成公社さんに預ける前から丸みを帯びた張りのある馬体で、この牝系らしい柔らかい歩様をしています。
父ジャンダルムが芝の短距離馬だったこと、また本馬のおじにディープボンドがいることを考慮すると、本馬にも芝適性が備わっているでしょう。
ただ一方で、母の初仔で本馬の半兄にあたるミトノユニヴァースは、ダービー馬ロジユニヴァースの産駒ながら地方重賞を3勝しています。
その血統背景も含めて考えれば、本馬にも少なからずダート適性はありそうです。
距離適性に関しては、基本的にスピード優位の血統をしていることから、おそらくマイル以下に適性を示すのではと考えています。
父ジャンダルムは、芝中長距離を得意とするKitten’s Joyの産駒ながらG1スプリンターズSを制したスピード馬です。
彼の血統を見る限り、その距離適性は明らかに母ビリーヴ譲りと言えるでしょう。
ビリーヴはスプリントG1を2勝した名牝で、ジャンダルムのほかにもG1安田記念3着のファリダットや、G3アイビスサマーダッシュ2着のフィドゥーシアを出しています。
ビリーヴから拡がる牝系を見てみても平均して短距離馬が多いことから、彼女の遺伝力の強さが窺えます。
このジャンダルムのスピードを活かすべく、本馬の配合ではDanzig4×5とHalo4×5を施しました。
Danzigは力強い短距離スピードを遺伝させる傾向がありますし、Haloは日本で最も成功している系統の一つで素軽いスピードを伝える傾向にあります。
また、本馬の配合段階においては、父ジャンダルムがSadler’s Wells系種牡馬という点にも着目していました。
欧州においては、Sadler’s Wells系にはデインヒルの血を持つ馬と配合すると活躍傾向にありますが、それほどではないにしろSadler’s Wells系×Dansili系の配合も成功しています。
例えば、欧米やG1香港ヴァーズなどG1を5勝したFlintshireや、愛ダービーなどG1を2勝の現役馬Los Angelesなどがこの血統パターンです。
そして、本馬もこの組み合わせから生まれています。

Sadler’s Wells系×Dansili系の相性の良さは、Sadler’s Wellsの母Fairy BridgeとDansiliの2代母Keraliによる相性の良さがあるのではと思って、本馬の配合に至っています。

いずれの血脈もHail to ReasonとHyperion、そしてDjebelの血を持つ点で共通しています。
さらに言えば、5代表ではわかりづらいですが、Nasrullahの血を持つ点も同じです。
改めて本馬の血統を振り返ると、DanzigやHaloのクロスが特長的なスピード配合であり、加えてSadler’s Wells系×Dansili系の組み合わせに見られる欧州血統の重厚さも加わっています。
そこにダートもこなせる牝系であることも考慮すると、やはりマイル以下の芝・ダートに適性がありそうに感じています。
柔らかく推進力のある歩様であるとはいえ、まだまだ成長途上の馬体にも映ります。
これから後期育成に移行する時期になってきますが、そこでさらに筋肉が付いた見栄えのする馬体になるのではと期待しています。
本馬に関してお問い合わせがございましたら牧場公式サイトからご連絡いただくか、当ブログに連絡先を添えてコメント欄にご記入くださるようお願いいたします。
当場から折り返し連絡させていただきます。
2025年09月05日
時間が経過していますが、8月31日の中京第12R3歳以上1勝クラス(ダ1200)に当場生産馬のコシュデリ号が出走しました。

未勝利戦勝ちのときの内容が良く、いずれは上位クラスに行けるのではと期待していましたが、ここ最近は本来の彼の能力を発揮できていないレースが続いている印象でした。
そのなかで今回は4番人気でレースに臨んだコシュデリ。
好スタートを決めたコシュデリでしたが、本来はこのダート1200という距離は短いのか、先頭グループから少しずつ離されながら好位につける展開でレースを進めます。
3~4コーナーにかけて再び先頭集団に取り付きながら直線を迎えると、鞍上のゴーサインに応えるようにグングンと加速します。
ラスト1Fのところからはさらに加速して前にいる3頭を抜き去って、最後は2着馬にクビ差をつけて優勝しました。
馬主様をはじめ関係者の皆さま優勝おめでとうございます。
本馬は、2023年のセレクションセールで現在の馬主様にご購買いただきました。
当時のセールに向けた本馬の紹介記事は、以下のリンクからご参照ください。
【セレクションセール】№182キタサンテンビーの2022(牡 父ホッコータルマエ)
【1歳時のコシュデリ】

以前よりも身が入った馬体に見えましたが、そのパワーアップした馬体が今回ダート1200にも対応できるスピードに結びついたのかなと感じました。
本来はもう少し距離があったほうが彼にとってレースしやすいと考えますが、この距離でも対応できたのは収穫だったと思います。
このあたりは母父ダイワメジャーの影響があるのかもしれません。
まだこれから成長してくる馬でしょうから、その成長とともに上位クラスでも通用する馬になってほしいです。
