【セレクトセール当歳】№436アメージングムーンの2025(牡 父イクイノックス)

昨年につづき、今年も当場からセレクトセール当歳に合格馬が出ています。

今年は当場から1頭のみの申込でしたが、アメージングムーンの2025(牡、父イクイノックス)が合格してくれました。

本馬の牝系解説文はこちらからご参照ください。

 

※2025年6月18日撮影

【誕生時】58kg 【6月23日現在】245kg

 

本馬は今年の当場生産における当歳馬のなかで、最も早く生まれた馬です。

すでに複数組の下見のお客様にご視察いただいていますが、他の牧場さんでも複数のイクイノックス産駒を見ているお客様によると、彼の産駒にはさまざまなタイプがいる模様。

そのなかにあって、少なくとも本馬は比較的しっかりとした馬体のつくりをしているタイプだと言えます。

誕生時や月齢を考慮した現在の馬体重を比較しても、標準よりやや大きめのサイズだと考えます。

本馬の配合においてはモデルになった馬がいて、それが現2歳の半兄スワーヴマルス(父キタサンブラック)です。

彼は、2023年のセレクトセール当歳に上場して1億9000万円(税抜き)で落札していただいた馬です。

生産した当場としても非凡な馬体をしている馬だと感じていましたし、良血馬・高額馬が多数上場されるセレクトセールに上場しても恥ずかしくない当歳牡馬だと思っていました。

結果、当場が予想した以上の評価をいただき現在の馬主様に落札いただきましたが、今回の当歳牡馬も良い出来で生まれてくれました。

父イクイノックス自身の競走成績は素晴らしいものであり、特に最後のレースとなったG1ジャパンCまでG1を6連勝したのは圧巻でした。

彼自身の血統パターンには彼の2代父であるブラックタイドと、彼の母父キングヘイローによる相似クロスの関係があります。

 

 

互いにHalo、Lyphard、Sir Ivorの血を持つ点で共通しています。

かなりの相似な血の関係ですが、当場でも国内外のG2を4勝してくれたディープボンドでこの配合パターンを試して成功しています。

ディープボンドの2代父ディープインパクトはブラックタイドの全弟であり、ディープボンドの母父はイクイノックスと同じくキングヘイローという関係です。

本馬とディープボンドは同じモガミヒメ牝系の出身であることも考慮すると、本馬とディープボンドは血統パターンが似ています。

 

 

いずれもディープインパクト(ブラックタイド)、キングヘイローそしてモガミヒメの血を持つ点で共通しています。

当場の特徴とも言えるモガミヒメ牝系に対してキングヘイローの血が合うことは、この牝系からキングヘイローの代表産駒の一頭であるローレルゲレイロや、他にもJRAで複数頭の勝ち馬が出ていることでその相性の良さが証明されています。

血統的な観点からも、キングヘイローとモガミヒメの血は相性が良いと考えています。

ここでは割愛しますが、両者の血統的関係は当場の旧ブログで以前紹介しているので、興味のある方は下記のリンクからご参照ください。

 

【血統・配合】キングヘイロー×モガミヒメ牝系

 

このように、キタサンブラック産駒の半兄の出来だけでなく、キタサンブラックにキングヘイローの血が加わったイクイノックスとの血統的相性も考慮して本馬が誕生しました。

牡馬らしいしっかりとした馬体と、人懐っこい気性を備えた当歳牡馬です。

昼夜放牧が始まり、下見のお客様に何度も視察していただくなかで、当歳馬ながらその振る舞いにも少しずつ成長が見られるようになってきました。

この記事を執筆している時点で、セール当日まで約3週間となりました。

当場としても、本番当日に立派な馬体で皆様にご覧いただけるように今後も飼養管理に努めてまいります。

本馬に関してお問い合わせがございましたら、牧場公式サイトからご連絡いただくか、当ブログに連絡先を添えてコメント欄にご記入くださるようお願いいたします。

当場から折り返し連絡させていただきます。

 

当場生産馬のドンアミティエが天王山Sを制してOP3連勝!

4月26日(土)の京都第11R天王山S(OP、ダ1200)に、当場生産馬のドンアミティエが出走しました。

 

 

りんくうS、大和SとOP2連勝で臨んだこのレースでは、堂々の1番人気に支持されての出走でした。

好スタートを決めたドンアミティエは、無理せず流れを見ながら4~5番手あたりでレースを進めていきます。

3~4コーナーでペースが速くなっても馬なりで上がっていって、最後の直線を迎えてから鞍上のゴーサインで一気に加速してきます。

グングンと力強く伸びていったドンアミティエは先頭の2頭をゴール前で交わして、最後は2着馬に1/2差をつけて優勝しました。

馬主様をはじめ関係者の皆さま優勝おめでとうございます。

本馬は、2021年のサマーセールにて現在の馬主様にご購買いただきました。

サマーセール上場に向けての当時の記事はこちらからご参照ください。

 

【1歳時のドンアミティエ】

 

今回は59kgでの出走ということもあり、そういう点がどう影響するかと思っていましたが、OP連勝してくれている馬だけあって底力を見せてくれました。

同レースにはもう一頭の生産馬タイセイブリリオも出走していたこともあり、私自身も京都競馬場まで応援に行っていてレース観戦していました。

ドンアミティエは本来ならば交流重賞に行きたかったようですが、この路線は層が厚くて意外とレース数も限られているようで、結局このレースに回っての出走だったようです。

このブログでも何度が書いていますが、夏場があまり得意ではない馬のようなので、このあとは夏休みに入る可能性があります。

OP3連勝してくれたので、次こそは重賞に出走できるのではと思っていますし、いまの充実ぶりならば好走してくれそうな期待感があります。

そして、今後も無事に馬主様のために走り続けてくれたらと願っています。

 

当場生産馬のタイセイディアマン号が3歳未勝利を快勝!

3月29日阪神第3R(3歳未勝利)に、当場生産馬のタイセイディアマン号が出走しました。

 

 

前走の芝1400の新馬戦では、残念ながら11着と敗れていたタイセイディアマン。

デビュー前の調教ではかなり動いていた印象だったので、正直これほど負けるとは思っていませんでした。

このデビュー戦のあと、オーナーサイドから「半兄タイセイブリリオが現在ダートの短距離で頑張ってくれているし、次走はダート短距離を試そうと思う」と伺っていました。

このダート替わりが評価されたのか、ダート1200という今回のレースでは4番人気に支持されていました。

レースでは無難にスタートを切って、中団の位置でレースを展開していくディアマンでしたが、鞍上の動きを見るとずっと外に張り気味に走っていた模様。

結果として、4コーナーから最後の直線を迎える際にもかなり外目のコースを取っていました。

それでも直線に向いてからはしっかり伸びてきて、最後は2着馬に1馬身差を付けて優勝しました。

馬主様をはじめ関係者の皆さま優勝おめでとうございます。

本馬は庭先取引にて現在の馬主様にご購買いただきました。

リステッドレースのマーガレットS(芝1200)で2着しているメルテッドハニーの全弟であること、また半兄タイセイブリリオも芝で3勝していることからまずは芝でデビューしましたが、結果的に本馬はダート適性が高かったのでしょう。

半兄タイセイブリリオがOP入りするなど、最近は本馬の祖母メリュジーヌを祖とする牝系も頑張ってくれています。

来週には、本馬の従姉ピューロマジックがドバイのG1アルクォーツスプリント(芝1200)に出走予定です。

この牝系がさらに発展できるように、当場としても力を入れていきたいと思います。

 

新たに当歳馬3頭が誕生

新たに3頭の当歳馬が誕生しています。

3月11日にはクラシックスがキタサンブラックの牝馬を出産しました。

キタサンブラック産駒らしい、素軽いやや薄手の馬体をしています。

 

また、3月14日にはメリオールがマジェスティックウォリアーの牝馬を出産しています。

10日以上早く生まれましたが、馬格は普通サイズに出てくれていて、牝馬ながらしっかりとした馬体からはダート適性を感じさせます。

 

そして、本日3月17日にはジョワユーズがインディチャンプの牡馬を出産しました。

こちらは逆に2週間以上遅れての出産でしたが、その分立派な馬格で生まれてくれて、現在まで生まれている当歳馬のなかでは最高体重となる67kgという出産時馬体重でした。

 

今年の出産予定が例年より少ないこともありますが、当場における出産も残り5頭となりました。

一方で、1歳馬のHBAセレクションセールの申込が終了するなど、牧場全体で改めて気を引き締めることが多い時期を迎えています。

 

当歳馬2頭が誕生

時間が経過していますが、2月26日にエレガントルビーがエフフォーリアの牝馬を出産しています。

 

 

予定日より約2週間も早く生まれた初仔の牝馬なので、小柄の馬格で生まれています。

2週間ほど経った現在が、やっと誕生時の普通サイズになったかなという馬格です。

母エレガントルビーにとっては初仔となりますが、乳付きも良く、良いお母さんをしてくれています。

この当歳馬に対する評価はもっと成長してからになるでしょうが、馬産地におけるエフフォーリア産駒の評判は総じて高い印象を受けます。

 

さて、3月3日にはロジモーリスがロジユニヴァースの牡馬を出産しました。

 

 

ロジユニヴァース産駒らしく伸びがあって、立派な馬格で生まれています。

この当歳牡馬の祖母メチャコルタは、亜1000ギニー大賞典の勝ち馬です。

また、叔母のダノンフェアレディは、先日のG2フィリーズレビュー勝ち馬ショウナンザナドゥを新馬戦で破って勝っています。

優秀な牝系出身なので、この当歳牡馬も立派な競走馬に育ってほしいですし、おそらくは芝路線に適性を示すのではと予想しています。