2025年08月13日
当場からは、8月21日のサマーセール4日目に生産馬3頭を上場予定です。
今回は、そのうちの№763スルターナの2024(牡、父シルバーステート)を紹介させていただきます。
本馬の牝系解説文(ブラックタイプ)はこちらからご参照ください。
【8月13日現在】体高153cm 胸囲178cm 管囲20.4cm 馬体重463kg
本馬は血統的に先月開催されたセレクションセールに合格できたレベルですが、春時点での体高がそれほど大きくなかったので、セレクションセールには申し込まず、あえてサマーセールまで待つことにした馬です。
その間も当場1歳分場にて昼夜放牧をしながら、セリ馴致を行ってきました。
当場の方針として、当場内でセリ馴致する際はセールに上場することだけを目的とせず、将来の競走馬という意味でもしっかりと基礎体力を付けて送り出したい思いから昼夜放牧も同時に実施しています。
結果としてG2日経新春杯勝ちのモズベッロ、国内外の重賞を4勝したディープボンド、G3エルムS勝ち馬フルデプスリーダー、昨年のG2札幌記念のほかG2AJCCとG3エプソムCの勝ち馬ノースブリッジ、そして先日のG3アイビスサマーダッシュを含めて重賞3勝のピューロマジックたちが活躍馬として出てくれていますが、彼らは当場生産のセール上場馬です。
また、サマーセール上場馬に限定すると、JRAでOPクラスまで行ったオセアダイナスティ(2019年サマーセール取引馬)や、現役馬ではダートOPを3連勝して今年のG3函館スプリントS3着のドンアミティエ(2021年サマーセール取引馬)などが当場生産のサマーセール上場馬になります。
これまで同様、セール当日に向けて細心の注意を払いながらセリ馴致を進めていきます。
母のスルターナは、JRA4勝のうちデビュー戦こそ函館の洋芝1000で勝ち上がってますが、あとの3勝はダート1400~1800で挙げたものです。
また、交流G3ブリーダーズゴールドC(門別ダート2000)4着の実績もあります。
スルターナは、当場が長年試してきたキングヘイロー×モガミヒメ牝系の配合から生まれています。
詳しくは、当場の旧ブログのほうで紹介したことがあるので、興味のある方は以下のリンクからご参照ください。
【血統・配合】キングヘイロー×モガミヒメ牝系 ③キングヘイロー×モガミヒメ牝系の配合~スルターナ編~
このような血統背景を持ち、現役時代は480kg台と恵まれた馬体で競馬していたスルターナに、種牡馬としては少し小柄ですがスピードと瞬発力に優れたシルバーステートを配合して本馬が誕生しました。
現状は、その父に似て体高が少し小柄に推移していますが、まだ腰高でこれからもっと大きくなる雰囲気を持っているのは母の影響があるかもしれません。
実際、母譲りの力強い馬体でもあるので母同様にダート向きかと思わせる一方で、この牝系らしい緩さのなかにも軽やかな歩様をする馬なので芝適性も感じさせます。
母が芝・ダートで勝ち鞍があることを考えると、本馬にも適性の幅はありそうです。
父シルバーステートの視点から考えるならば、シルバーステート×キングヘイロー牝馬の配合からG3勝ち馬ウォーターナビレラとJRA4勝して現OPクラスのテーオーソラネルが出ている点には注目しておきたいです。
いずれもシルバーステート×キングヘイロー牝馬の配合で本馬と同じです。
この配合はHaloクロスが生じるのがポイントである一方、ディープインパクト≒キングヘイローの相似クロスによる相性の良さも関係していると考えています。
どちらの血脈もHalo、LyphardそしてSir Ivorを持つ点で共通しています。
ディープインパクト≒キングヘイローの組み合わせは今後も活躍馬を輩出すると予想しますが、当場生産馬の重賞勝ち馬ディープボンドやG1を6連勝したイクイノックス(ディープの全兄ブラックタイドとキングヘイローの組み合わせ)など、すでに重賞戦線で活躍している馬もいます。
本馬はまだ成長途上で、後期育成に入ってからさらに変わってきそうな気配があります。
気性的にもどっしりとしていて、セリ馴致を通じて他の1歳馬よりもさらに大人びた印象です。
セール上場日まで約1週間となりましたが、最後まで気を抜かず良い状態で上場できるように飼養管理に努めてまいります。
本馬に関してお問い合わせがございましたら、牧場公式サイトからご連絡いただくか、当ブログに連絡先を添えてコメント欄にご記入くださるようお願いいたします。
当場から折り返し連絡させていただきます。