【サマーセール】№807ハーランズワンダーの2024(牡 父ディープブリランテ)

当場から、8月21日のサマーセール4日目に生産馬3頭を上場予定です。

今回は、そのうちの№807ハーランズワンダーの2024(牡、父ディープブリランテ)を紹介させていただきます。

本馬の牝系解説文(ブラックタイプ)はこちらからご参照ください。

 

 

【8月13日現在】体高153cm 胸囲179cm 管囲20.4cm 馬体重466kg


 

本馬は、当場1歳分場にて昼夜放牧しながらセリ馴致中です。

当場の方針として、当場内でセリ馴致する際はセールに上場することだけを目的とせず、将来の競走馬という意味でもしっかりと基礎体力を付けて送り出したい思いから昼夜放牧も同時に実施しています。

結果としてG2日経新春杯勝ちのモズベッロ、国内外の重賞を4勝したディープボンド、G3エルムS勝ち馬フルデプスリーダー、昨年のG2札幌記念のほかG2AJCCとG3エプソムCの勝ち馬ノースブリッジ、そして先日のG3アイビスサマーダッシュを含めて重賞3勝のピューロマジックたちが活躍馬として出てくれていますが、彼らは当場生産のセール上場馬です。

また、サマーセール上場馬に限定すると、JRAでOPクラスまで行ったオセアダイナスティ(2019年サマーセール取引馬)や、現役馬ではダートOPを3連勝して今年のG3函館スプリントS3着のドンアミティエ(2021年サマーセール取引馬)などが当場生産のサマーセール上場馬になります。

正直なところ、昼夜放牧をしながらセリ馴致をすると疲労が溜まりやすいのですが、そのあたりは獣医に相談するなどして適切なケアをしてもらって対応しています。

これまで同様、セール当日に向けて細心の注意を払いながらセリ馴致を進めていきます。

 

本馬は、ディープブリランテ産駒のなかでも、収得賞金第2位の当場生産馬モズベッロ(G2日経新春杯勝ち)の甥にあたる血統です。

両馬とも父が同じなので、血統的に本馬とモズベッロは3/4同血の関係になります。

 

 

本馬の馬体の雰囲気は父似と言っていいでしょう。

明るい鹿毛やディープインパクト系にしては肉付きが良く、特に四肢の筋肉量が豊富なのはディープブリランテの特徴であり、また本馬の特徴でもあります。

そのためか、ディープ系のダービー馬(芝馬)にもかかわらず、彼の産駒は勝ち鞍の7割が芝なのに対して、ダートも3割勝ち鞍があるのは注目すべき点です。

ディープブリランテあるいはその産駒たちが受け継いでいる力強い馬体が、彼ら産駒にダート適性の高さを伝えていると推測することは容易でしょうし、実際に本馬もそのカテゴリーに属する馬体をしていると思います。

ディープ系らしく芝に適性を示すくらいの柔軟性を備えている一方、明らかにパワータイプの馬体でもあるのでダート適性も高いと見るべきでしょう。

 

さて、そのディープブリランテ産駒に関して、獲得賞金上位50頭の産駒の血統傾向を調べてみると以下のような特徴が見られました。

 

①母方にMr.Prospectorの血を持つ産駒 30頭/50頭

②Hail to Reasonのクロスを持つ産駒 24頭/50頭

③Halo(もしくはその息子サンデーサイレンス)のクロスを持つ産駒 17頭/50頭

④母方にNijinskyの血を持つ産駒 18頭/50頭

⑤母方にGraustark(もしくはその全弟His Majesty)の血を持つ産駒 13頭/50頭

 

①のMr.Prospectorの血については、スピード優位の日本競馬においては、北米血脈のなかでも代表的なスピード血脈であるMr.Prospectorの血を持つ馬自体が珍しくありません。

それでも、ディープブリランテ産駒という観点からは、後述の血統的特徴とも関連するのがこのMr.Prospectorだと思います。

本馬は、母がMr.Prospectorクロスを持つので①に該当します。

②のHail to Reasonクロスに関しては、③のHaloとも関連してきます。

なぜなら、HaloはHail to Reasonの息子だからです。

また、このHail to Reasonを持つ産駒24頭のうち、母方にHail to Reasonの息子Robertoを通じて持つ産駒は17頭もいました。

そのRobertoという血は、父と母がよく似た血統構成の父母相似配合のパターンをしています。

 

 

そして、このHail to ReasonやRobertoと相性が良い血が、①で指摘したMr.Prospectorです。

正確には、Hail to ReasonとMr.Prospectorの母Gold Diggerが相似クロスを形成する関係にあります。

 

 

いずれもBlue LarkpurやSir Gallahad=Bull Dogの血を持ち、Royal Charger≒Nasrullahの関係もあります。

本馬はHail to Reasonクロスを持ちませんが、2代母ハーランズルビーがHail to Reasonの息子であるHaloを4×3で持つので類似した血統パターンを持ちます。

③のHaloもしくはサンデーサイレンスのクロスを持つ産駒については、前述の②でも言及した通り、Haloの父Hail to Reasonの血が関係していると思います。

本馬はHaloクロスを持つので③に該当します。

④の母方にNijinskyの血を持つ産駒については、本馬はこの血を持たないので④には該当しません。

⑤の母方にGraustark(もしくはその全弟His Majesty)の血を持つ産駒についても、本馬は該当しません。

ちなみに、本馬の血統には関係ありませんが①Mr.Prospectorの血を持ち、④のNijinskyや⑤のGraustarkの血も持つ、ディープブリランテにとっては効率の良い血脈があります。

それが、キングカメハメハです。

実際、獲得賞金上位50頭のディープブリランテ産駒のうち、6頭が母父キングカメハメハでした。

当場生産馬においても、JRAでOPクラスまで行ったタイセイブリリオが母父キングカメハメハです。

 

 

このように、当場においてはディープブリランテとの配合においても、モズベッロとタイセイブリリオという2頭のOP馬が出ているように相性の良い種牡馬です。

本馬も、父の産駒らしい肉付きが良く明るい鹿毛馬で、皮膚感も含めて張りのある健康的に見せる馬体をしています。

牡馬らしく少し頑固な面を持ちながらも、引き運動やウォーキングマシン、馬運車の乗り降り練習などセリ馴致をここまで順調にこなしてくれました。

セール当日まで残り数日ですが、最後まで気を抜かずにセリ馴致を含めた飼養管理に努めてまいります。

 

本馬に関してお問い合わせがございましたら牧場公式サイトからご連絡いただくか、当ブログに連絡先を添えてコメント欄にご記入くださるようお願いいたします。

当場から折り返し連絡させていただきます。

 

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