2025年09月13日
来週からセプテンバーセールが開催されます。
当場からは№328タイセイアヴァンセの2024(牡、父ジャンダルム)を上場いたします。
本馬の牝系解説文(ブラックタイプ)はこちらからご参照ください。
【9月3日現在】体高152cm 胸囲175cm 管囲19.3cm 馬体重422kg
当場ではこの時期、当歳馬の離乳が次々と始まっていて中期育成場の放牧地を空けなければならないことから、1歳世代は当場からすべて移動済みです。
結果的に、本馬が1歳分場で1頭になってしまうことから、8月には育成公社さんへセリ馴致をお願いするために移動しています。
当場内の他の1歳世代に比べると少し小柄だったため、このセプテンバーセールまで上場を待つことにしました。
育成公社さんに預ける前から丸みを帯びた張りのある馬体で、この牝系らしい柔らかい歩様をしています。
父ジャンダルムが芝の短距離馬だったこと、また本馬のおじにディープボンドがいることを考慮すると、本馬にも芝適性が備わっているでしょう。
ただ一方で、母の初仔で本馬の半兄にあたるミトノユニヴァースは、ダービー馬ロジユニヴァースの産駒ながら地方重賞を3勝しています。
その血統背景も含めて考えれば、本馬にも少なからずダート適性はありそうです。
距離適性に関しては、基本的にスピード優位の血統をしていることから、おそらくマイル以下に適性を示すのではと考えています。
父ジャンダルムは、芝中長距離を得意とするKitten’s Joyの産駒ながらG1スプリンターズSを制したスピード馬です。
彼の血統を見る限り、その距離適性は明らかに母ビリーヴ譲りと言えるでしょう。
ビリーヴはスプリントG1を2勝した名牝で、ジャンダルムのほかにもG1安田記念3着のファリダットや、G3アイビスサマーダッシュ2着のフィドゥーシアを出しています。
ビリーヴから拡がる牝系を見てみても平均して短距離馬が多いことから、彼女の遺伝力の強さが窺えます。
このジャンダルムのスピードを活かすべく、本馬の配合ではDanzig4×5とHalo4×5を施しました。
Danzigは力強い短距離スピードを遺伝させる傾向がありますし、Haloは日本で最も成功している系統の一つで素軽いスピードを伝える傾向にあります。
また、本馬の配合段階においては、父ジャンダルムがSadler’s Wells系種牡馬という点にも着目していました。
欧州においては、Sadler’s Wells系にはデインヒルの血を持つ馬と配合すると活躍傾向にありますが、それほどではないにしろSadler’s Wells系×Dansili系の配合も成功しています。
例えば、欧米やG1香港ヴァーズなどG1を5勝したFlintshireや、愛ダービーなどG1を2勝の現役馬Los Angelesなどがこの血統パターンです。
そして、本馬もこの組み合わせから生まれています。
Sadler’s Wells系×Dansili系の相性の良さは、Sadler’s Wellsの母Fairy BridgeとDansiliの2代母Keraliによる相性の良さがあるのではと思って、本馬の配合に至っています。
いずれの血脈もHail to ReasonとHyperion、そしてDjebelの血を持つ点で共通しています。
さらに言えば、5代表ではわかりづらいですが、Nasrullahの血を持つ点も同じです。
改めて本馬の血統を振り返ると、DanzigやHaloのクロスが特長的なスピード配合であり、加えてSadler’s Wells系×Dansili系の組み合わせに見られる欧州血統の重厚さも加わっています。
そこにダートもこなせる牝系であることも考慮すると、やはりマイル以下の芝・ダートに適性がありそうに感じています。
柔らかく推進力のある歩様であるとはいえ、まだまだ成長途上の馬体にも映ります。
これから後期育成に移行する時期になってきますが、そこでさらに筋肉が付いた見栄えのする馬体になるのではと期待しています。
本馬に関してお問い合わせがございましたら牧場公式サイトからご連絡いただくか、当ブログに連絡先を添えてコメント欄にご記入くださるようお願いいたします。
当場から折り返し連絡させていただきます。