2025年07月16日
今年のセレクションセールには、当場生産馬が5頭合格していますが、今回はプレミアムセッションに上場予定の№26ファーストチェアの2024を紹介させていただきます。
本馬の牝系解説文(ブラックタイプ)はこちらからご参照ください。
上記の360℃画像は、クリックもしくはタップしながら横にスライドすると回転していきます。
【7月7日現在】体高154cm 胸囲176cm 管囲19.3cm 馬体重440kg
本馬はセール2ヶ月前から、地元の新冠町にある育成公社さんにセリ馴致のために預けています。
今年はセレクションセールに当場から5頭の合格馬が出ており、そのうち本馬を含めた牝馬2頭については育成公社さんにセリ馴致をお願いしている状況です。
個人的に育成公社さんとは相性が良いと感じていて、現役馬で育成公社さんにセリ馴致をお願いした馬のなかには、JRAのダートOPを3連勝して先日のG3函館スプリントSで3着した当場生産馬ドンアミティエなどがいます。
さて、本馬はG3エルムS勝ち馬フルデプスリーダーの全妹にあたります。
フルデプスリーダーが当場にいた頃は、筋肉質でゴツい馬体が多いヘニーヒューズ産駒のなかにあって、彼の馬体は柔らか味があって丸みのある筋肉を帯びていました。
本馬も、ヘニーヒューズ産駒でありながらそこまで筋肉質の馬体ではなく、牝馬ということもありそれほど重たくもないきれいな馬体をしています。
父ヘニーヒューズは改めてここで記述する必要はないでしょうが、ダート系種牡馬として確固たる地位を築いた名種牡馬です。
22歳という年齢から以前ほど多くの産駒を送り出せてはいませんが、今年も産駒のセラフィックコールが交流重賞を勝っていたり、現在は息子のアジアエクスプレスやモーニンなどが後継種牡馬として頑張ってくれています。
母ファーストチェアは、本馬の全兄フルデプスリーダーのほかにもG3京成杯2着のロジハービン、JRA特別勝ちのヴァフラームなど送り出しています。
ファーストチェアは、血統的に種牡馬アドマイヤムーンの半妹にあたり、牝系は名牝Katiesに遡る良血馬です。
彼女自身は競走馬として大成できませんでしたが、その血統背景から繁殖牝馬として優秀な成績を収めてくれています。
彼女の血統はジャングルポケット×サンデーサイレンス牝馬の配合なので、見方によっては、芝向きとも思える血統のファーストチェアに対してダート系種牡馬のヘニーヒューズを配合したことに違和感を持つ方もいらっしゃるでしょう。
ただ、血統面で詳しく調べても相性が良さそうでしたし、すでにフルデプスリーダーを出しているのであまり迷う配合ではありませんでした。
ファーストチェアに関しては、芝向きの繁殖牝馬というより、質の高い繁殖牝馬というイメージを持って彼女の配合を考えるようにしてきました。
本馬の全兄フルデプスリーダーの馬体は、母父ジャングルポケットの影響もあってか父ほど重心が低くなかったですし、張りのある馬体ながらも太過ぎないという、こちらが望んでいた通りの馬体に出てくれました。
本馬もきれいなシルエットをしていて、それでいながら細すぎもなければ重すぎることもない、牝馬としてちょうど良い馬体で配合が嵌った感があります。
血統面で言えば、ヘニーヒューズ産駒の血統的特徴として、世代を遡りますがヘニーヒューズが持つWar Relic≒Eight Thirtyの相似クロスを継続強化する配合を試みると産駒は活躍傾向にあります。
本馬も、自身の3代母ケイティーズファーストがRelancee=ポリックの全きょうだいクロスを経て、War Relicを2本持つ血統構成になっています。
このような血統背景からファーストチェアはヘニーヒューズと相性が良いのでは、という配合的な意図はありました。
言い換えれば、本馬の配合に限らず、ケイティーズハートの牝系はヘニーヒューズと血統的相性が良い可能性があると考えています。
母が高齢での産駒ということを懸念される方もいらっしゃるかもしれません。
ただ、当場においては母馬の飼養管理について数種類の配合飼料を組み合わせてみたり、高齢馬にはあまり硬くない飼料を試してみる、あるいはこれまでの出産傾向を考慮しながら給餌量を調整するなど工夫して飼養管理に努めています。
もちろん、それらをしっかり咀嚼、馬体に吸収できるように整歯も定期的に行っています。
それは本馬を含めた生産馬たちについても例外ではありません。
本馬も高齢の母から生まれたとはいえ、他馬に見劣りしない健康的な馬体をしていると思いますので、セール当日は是非本馬にもご注目ください。
本馬に関してお問い合わせがございましたら牧場公式サイトからご連絡いただくか、当ブログに連絡先を添えてコメント欄にご記入くださるようお願いいたします。
当場から折り返し連絡させていただきます。