【サマーセール】№41アルレガーロの2022(牝 父キタサンミカヅキ)

8月21日に開催されるサマーセール1日目に、当場から生産馬4頭の上場を予定しています。

今回は上場番号№41アルレガーロの2022(牝、父キタサンミカヅキ)を紹介させていただきます。

本馬の牝系解説文(ブラックタイプ)はこちらからご参照ください。

 

 

【8月3日現在】体高156cm 胸囲178cm 管囲20.0cm 馬体重450kg


 

本馬は現在、当場と同じ町内の育成場である育成公社さんに預けて、セール当日に向けてセリ馴致をしていただいてます。

母アルレガーロの産駒のなかでも、本馬は牝馬ながら明らかに馬格に恵まれていて、この点は父キタサンミカヅキの馬体的特徴が良く出ていると感じています。

そのアルレガーロにはこれまで3頭のローレルゲレイロ産駒を産んでもらって、そのうちハディアはJRAで2勝のほか、高知競馬で5勝するなど地方に転籍してからも堅実に走ってくれています。

本馬は父がキタサンミカヅキで、ローレルゲレイロとキタサンミカヅキはいずれもキングヘイロー産駒なので、本馬と半兄ハディアとは血統的に3/4同血という関係になります。

当場では以前からキングヘイローの血を引く馬を多く生産していますが、それはキングヘイローの血統にDrone≒Halo≒Sir Ivorという強力な相似クロスが存在するからです。

 

 

もともとはキングヘイローの母グッバイヘイローがHalo≒Sir Ivorの相似クロスを持っていて、そこにDroneを持つダンシングブレーヴが配合されて生まれたのがキングヘイローでした。

これら3つの血脈は、それぞれの父系がturn-toに遡る点で共通していて、またこれら3頭の母方にMahmoud×Pharamondの組み合わせがある点も同じです。

この血統的特徴を持つキングヘイローを父に持つキタサンミカヅキに対して、Haloの血を引くアルレガーロを配合したことで、血統的にはDrone≒Halo≒Sir Ivorの相似クロスを継続強化した配合になると考えています。

それ以外にも、本馬の血統的特徴という意味ではダンシングブレーヴ≒Storm Catによる相似クロスも上げられると思います。

 

 

いずれも2代父がNorthern Dancerであり、それぞれの母方にはSir Gaylord≒Secretariatの存在もあります。

そのほかにも血統的親和性の高い部分もあることから、ダンシングブレーヴ≒Storm Catの相似クロスも本馬の血統的長所ではないかと考えています。

 


 

父がダート馬のキタサンミカヅキであること、さらに本馬がその父譲りの馬格をしている点を考慮すると、本馬もダート適性の高い馬だと言えるでしょう。

キタサンミカヅキ産駒は初年度産駒が明け2歳であり、地方で勝ち上がっている産駒がいるわけですが、その傾向から本馬に関してもダートの短めの距離に適性があるのかもしれません。

この牝系らしい気の強さに加えて、馬格のある牝馬らしくどっしりとした面もあります。

リーズナブルな価格設定にしたいと考えていますので、JRAのみならず地方競馬の馬主関係者の皆様にもご注目いただきたい一頭です。

本馬に関してお問い合わせがございましたら、牧場公式サイトからご連絡いただくか、当ブログに連絡先を添えてコメント欄にご記入くださるようお願いいたします。

当場から折り返し連絡させていただきます。

 

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【セレクションセール】上場馬3頭をご購買いただきました

7月25日~26日に開催されたセレクションセールに、当場生産の1歳馬3頭を上場しました。

№6クラシックスの2022(牝、父シルバーステート)は永嶋啓一さまにご購買いただきました。

№100エイシンキルデアの2022(牡、父ヘニーヒューズ)はリコリコレーシングさまにご購買いただきました。

№182キタサンテンビーの2022(牡、父ホッコータルマエ)は長谷川祐司さまにご購買いただきました。

ご購買いただきました馬主様ならびに関係者の皆さま、誠にありがとうございました。

7月24日にセレクションセールの全上場馬の前日展示があったわけですが、この日から非常に多くの購買関係者の方々がいらっしゃいました。

セレクトセールで落札できなかった分、セレクションセールのほうにお客様が流れてくるのではと周囲の方々から聞いていましたが、自分の想像以上にお客様の数が多かった印象です。

実際、2日間開催の全体の売却率は90%越えという素晴らしいセール結果となりました。

中央競馬だけでなく地方競馬の馬主関係者の方々も多く来場されてましたし、実際に当場から上場して落札していただいた馬のなかには、地方競馬からデビューを目指す予定の1歳馬もいます。

一方で、目当ての馬を落札できなかったお客様も少なからずいらっしゃったようです。

そのお客様たちが次に目指す1歳セールは、当然サマーセールということになるでしょうから、今年のサマーセールも盛況になる可能性はあるでしょう。

当場からはサマーセールに4頭の上場を予定していて、後日このブログで彼らの紹介記事をアップする予定です。

改めまして、このたびはセレクションセールで当場生産馬をご購買いただき誠にありがとうございました。

 

【セレクトセール当歳】上場馬2頭をご購買いただきました

7月11日、セレクトセール当歳に当場生産の当歳馬2頭を上場しました。

№327アメージングムーンの2023(牡、父キタサンブラック)は㈱NICKSさまにご購買いただきました。

№451スルターナの2023(牡、父コントレイル)は藤田晋さまにご購買いただきました。

ご購買いただきました馬主様ならびに関係者の皆さま、誠にありがとうございました。

普段の仕事はもちろん、当歳馬の馴致やケアなどにも努める一方で、多くの方々に事前下見にご来場いただくなどセール当日まで牧場一丸となって頑張ってきました。

特にアメージングムーンの2023については、重賞勝ち馬の半弟であることと、今年も産駒が活躍中のキタサンブラックの牡馬ということで多くのお客様にご注目いただきました。

結果として1億9000万円という非常に高い評価をいただけたことは、当場がこれまでこだわってきた強い馬づくりが少しでも評価された結果なのかなと感慨深いものがあります。

もちろんこれに慢心することなく、ご購買いただいた2頭のケアも怠らずに、彼らを含めた当歳世代からも活躍馬を輩出できるように頑張りたいと思っています。

改めまして、このたびはセレクトセール当歳で当場生産馬をご購買いただき誠にありがとうございました。

 

 

【セレクションセール】№182キタサンテンビーの2022(牡 父ホッコータルマエ)

今年のセレクションセールには当場から3頭の生産馬を上場予定ですが、最後の3頭目として紹介させていただくのが、セール第2日目に上場予定の№182キタサンテンビーの2022(牡、父ホッコータルマエ)です。

本馬の牝系解説文(ブラックタイプ)はこちらからご参照ください。

 

 

本馬の360度画像はこちらからご参照ください。

【7月12日現在】体高158cm 胸囲175cm 管囲20.7cm 馬体重452kg

 

本馬は当場1歳分場にて昼夜放牧をしながら、セリ馴致も行っています。

当場の方針として、当場内でセリ馴致する際はセールに上場することだけを目的とせず、将来の競走馬という意味でもしっかりと基礎体力を付けて送り出したい思いから昼夜放牧も同時に実施しています。

現8歳でG3武蔵野S勝ちのソリストサンダー、7歳で先日引退したG2日経新春杯勝ちのモズベッロ、現6歳で国内外の重賞4勝のディープボンド、G3エルムS勝ち馬フルデプスリーダー、現5歳でG2AJCCとG3エプソムCの勝ち馬ノースブリッジ、そして今年のG3共同通信杯でのちのダービー馬タスティエーラに先着する2着と健闘した現3歳のタッチウッド。

彼らはすべて当場生産によるセール上場馬ですが、すべて当場内で昼夜放牧をしながらセリ馴致をしてセール上場した馬たちです。

本馬の母キタサンテンビーは小柄で400kg台で競馬した馬ですが、彼女の2番仔である本馬は明らかに父ホッコータルマエの影響を受けていて、当場平均よりも一回り大きな立派な馬体をしています。

その父ホッコータルマエの産駒について、獲得賞金上位50頭(7月5日現在)の血統傾向を調べてみました。

 

①母方にHyperionの影響が強いと思われる血脈を持つ産駒 40頭/50頭

②母方にNasrullah/Princequilloのニックから構成される血脈を持つ産駒 34頭/50頭

③母方にサンデーサイレンスの血を持つ産駒 28頭/50頭

④Mr.Prospectorのクロスを持つ産駒 24頭/50頭

 

①の母方にHyperionの影響が強いと思われる血脈を持つ産駒ですが、単純計算でホッコータルマエの活躍産駒の8割がこの血統傾向を持っていることになります。

ここで私がHyperionの影響が強いと思われる血脈と見なしているのは、サンデーサイレンスの2代母Mountain Flower(Hyperion3×4)やノーザンテースト(Hyperion3×4)、あるいはNureyev(Hyperion4×4)などの馬のことです。

例えば、獲得賞金第1位のレディバグには母方にHyperion3×4を持つ凱旋門賞馬Vaguely Nobleの血が入っています。

 

 

同様に、獲得賞金第2位のメイショウフンジンは、母方にサンデーサイレンスを通じてMountain Flowerを持っていたり、Hyperion4×5を持つSadler’s Wellsの血が入っています。

また、獲得賞金第3位のヒーローコールの母方にはFall Aspenとトウショウボーイ(いずれもHyperion3×4)の血が入っているなど、ホッコータルマエ産駒の活躍馬の血統には少なからずHyperionの影響がどこか感じられます。

 

 

本馬の場合、母父ダイワメジャーがMountain FlowerやノーザンテーストというHyperionの血が強い血脈を持つので、①のパターンに該当すると考えています。

②の母方にNasrullah/Princequilloのニックから構成される血脈を持つ産駒というのは、例えばMill ReefやRiverman、Secretariatの血を母方に持つ産駒ということです。

このようなニックから成る血脈を持つ繁殖牝馬とホッコータルマエを配合すると、Nasrullah/Princequilloの組み合わせを複数持つことになり、結果として高い競走能力や柔軟性が遺伝されるのではと考えています。

本馬の場合、本馬の2代母ビッグテンビーがNasrullah/Princequilloから成る血脈としてMill Reefやボールドラッドを持っているので、②のパターンにも該当します。

③の母方にサンデーサイレンスの血を持つ産駒というのは、現代の多くの繁殖牝馬にこの血脈が入っているので、大きな特徴とは呼べないかもしれません。

ただ、サンデーサイレンスの2代母Mountain FlowerがHyperion3×4を持つという血統背景は、①とも脈絡する話しであり、単純にホッコータルマエにサンデーの血を持つ繁殖牝馬を配合することが血統的な観点からは好ましいと考えます。

本馬は母方にサンデーサイレンスの血を持つので、この③にも該当します。

最後に④Mr.Prospectorクロスを持つホッコータルマエ産駒ということですが、本馬はこれに該当しません。

ただ、ホッコータルマエ自身がMr.Prospectorクロスを持っていること、そしてその彼がダート路線で素晴らしい競走成績を残したことも考慮すると、父の競走能力を受け継ぐ意味で産駒の代でもMr.Prospectorのクロスを施すのは面白いと考えます。

 

以上の点から、本馬はホッコータルマエ産駒の成功パターンにある程度該当していると、個人的には考えています。

非常に垢抜けた馬体の持ち主であり、ダート血統でありながら歩様に軽やかさを感じさせるなど、ビッグテンビーを2代母に持つ血統らしい馬だと言えます。

中央・地方を含めたダート路線が整備されるなかで、ダート中距離路線がグンと注目されてくると思いますが、本馬のような脚を長めに見せる馬体はこれからの時代にマッチするのではと考えています。

放牧地で走る姿も豪快かつ軽やかで、後ろから付いてくる馬たちを一瞬で引き離してしまう脚力があります。

セリ馴致時の馬体の雰囲気が似ている従兄のノースブリッジは芝中距離で活躍中ですが、本馬にはダート版ノースブリッジのような走りを期待したいと思っています。

 

本馬に関してお問い合わせがございましたら、牧場公式サイトからご連絡いただくか、当ブログに連絡先を添えてコメント欄にご記入くださるようお願いいたします。

当場から折り返し連絡させていただきます。

 

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【セレクションセール】№100エイシンキルデアの2022(牡 父ヘニーヒューズ)

 

 

【セレクションセール】№100エイシンキルデアの2022(牡 父ヘニーヒューズ)

今年のセレクションセールには、当場から3頭の生産馬を上場予定ですが、今回はセール第1日目に上場予定の№100エイシンキルデアの2022(牡、父ヘニーヒューズ)を紹介させていただきます。

本馬の牝系解説文(ブラックタイプ)はこちらからご参照ください。

 

 

本馬の360度画像はこちらからご参照ください。

【7月12日現在の測尺】体高157cm 胸囲179cm 管囲21.1cm 馬体重480kg

 

本馬は当場1歳分場にて昼夜放牧をしながら、セリ馴致も行っています。

当場の方針として、当場内でセリ馴致する際はセールに上場することだけを目的とせず、将来の競走馬という意味でもしっかりと基礎体力を付けて送り出したい思いから昼夜放牧も同時に実施しています。

現8歳でG3武蔵野S勝ちのソリストサンダー、7歳で先日引退したG2日経新春杯勝ちのモズベッロ、現6歳で国内外の重賞4勝のディープボンド、G3エルムS勝ち馬フルデプスリーダー、現5歳でG2AJCCとG3エプソムCの勝ち馬ノースブリッジ、そして今年のG3共同通信杯でのちのダービー馬タスティエーラに先着する2着と健闘した現3歳のタッチウッド。

彼らはすべて当場生産によるセール上場馬ですが、すべて当場内で昼夜放牧をしながらセリ馴致をしてセール上場した馬たちです。

本馬も当場でセリ馴致をしながら、先輩の馬たちに続けとばかりに立派な馬体に成長しています。

本馬の父ヘニーヒューズは、多くの方々がご存じのようにダート路線ではトップクラスの名種牡馬です。

現在は総合の種牡馬リーディング第8位、JRAリーディングでも第10位につけるなど、中央・地方問わず今年もしっかりと結果を残し続けています。

特にJRAにおいては、産駒による全勝利がダートのみということで、改めてダート種牡馬だということを証明しています。

内容も良く、今年もG3ユニコーンS勝ち馬ぺリエールを出すなど、今後もダートの重賞戦線ではコンスタントに活躍馬を出してくることが予想されます。

本馬の母エイシンキルデアは愛国の芝レースでの勝ち鞍があり、北米血統のなかでも芝向きと言えるKitten’s Joy産駒らしい競走成績ですが、その彼女にあえてヘニーヒューズを配合したのには理由があります。

まず一つ目は、近親にJRAダート重賞を3勝しているスワーヴリチャードなどダートでも成績を残している牝系なので、ダート種牡馬のヘニーヒューズを試してみたかったこと。

そして二つ目は、この牝系をよく調べて見ると、Storm Catの血を持つ種牡馬との間に勝ち馬が何頭もいることがポイントでした。

 

上記のブラックタイプはセレクションセールのものを引用させていただきましたが、蛍光マークはすべて父がStorm Catの血を含んでいる馬たちです。

この相性の良さは、本馬の2代母Balaバーラに由来するのかもしれません。

 

 

北米重賞の入着歴もあるBalaは、5代表をみてわかるようにBuckpasser3×4など北米血脈が強く、ダート向きを思わせるパワフルな血統をしています。

ここにStorm Catの血を加えると、Storm Bird≒NijinskyやTerlingua≒Hopespringseternalなどの相似クロスができるため、血統的に見ても活躍馬がコンスタントに出やすい配合なのではないかと考えました。

 

 

このような血統背景から、ヘニーヒューズとエイシンキルデアを配合することにしました。

写真や360度画像、あるいは動画を見ていただければお分かりかと思いますが、ヘニーヒューズ産駒の割りには少し脚長で重心を高く見せます。

これは母エイシンキルデアの影響であり、さらに言えばその父Kitten’s Joyから受け継ぐ馬体的特徴のようにも感じています。

一方で、四肢にはしっかりと筋肉が付くなどこの時期の1歳馬としては堂々とした馬体であり、それが471kgという馬体重にも表れていると思います。

昨年のセレクションセールには半兄のインテグレイト(父キタサンブラック)を上場して、ありがたいことに高い評価をいただきました。

本馬も半兄に劣らない立派な馬体をしているので、セール当日までしっかりと飼養管理とセリ馴致を施して、皆さまにご覧になっていただきたいと思います。

 

本馬に関してお問い合わせがございましたら、牧場公式サイトからご連絡いただくか、当ブログに連絡先を添えてコメント欄にご記入くださるようお願いいたします。

当場から折り返し連絡させていただきます。

 

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