功労馬ローレルゲレイロが那須塩原のブレーヴステイブルへ移動

当場生産馬で初めてG1を勝ってくれたローレルゲレイロ号が、栃木県那須塩原市にある余生牧場のブレーヴステイブルに移動しました。

現役を引退した直後は優駿スタリオンステーションで種牡馬入りしましたが、種付頭数の減少に伴い当場で引き取らせていただき、プライベート種牡馬として昨年まで種牡馬として過ごしていました。

今年からは功労馬として当場にて繫養していた一方、数年前に知り合いの牧場さんを通じてローレルゲレイロの余生を是非当場で、と余生牧場のブレーヴステイブルさんからお話を頂いておりました。

当初は牧場初のG1馬であることから最後まで当場にて繫養したい思いと、ローレルゲレイロのファンの方がいる余生牧場ならば彼を大切に扱ってくれそうという思いと、両方の感情が入り混じってなかなか決断できないでいました。

ただ最後には、折角いただいたお話しだからと、ブレーヴステイブルさんにお譲りすることにした次第です。

そして、10月13日の午前中に当場を出発して、輸送業者さんの馬運車に乗って那須塩原に出発しました。

 

 

翌10月14日の朝方に、那須塩原のブレーヴステイブルさんに到着したとの報告を現地から受けております。

到着して早々に飼い食いが旺盛なようで、この調子ならば現地の環境にもフィットしてくれそうとのことです。

 

 

思えば彼の活躍が契機となり、その後に生産した彼と同じモガミヒメ牝系の馬たちの評価がグンと高くなっていきました。

改めて彼に対する感謝の気持ちで一杯ですし、ゆったりのんびりと余生を過ごしてくれることを切に願っています。

 

当場生産・所有馬のバグラダス号が3歳以上2勝クラスを快勝!

10月8日の東京第12R3歳以上2勝クラス(ダ1400)に、当場生産・所有馬のバグラダスが出走しました。

 

 

新馬戦こそダートで勝ち上がっていますが、2勝目は芝で勝つなど、近走は芝のレースが続いていたバグラダス。

ダートで好成績を上げているマジェスティックウォリアー産駒ということもあり、厩舎サイドと話して、そろそろダートに戻してみようということで迎えたこのレース。

4番人気で迎えたバグラダスは、相変わらずの好スタートで2番手あたりにつけると、そのままレースを進めていきます。

2番手追走のまま最終コーナーを回ったバグラダスは、残り400あたりから鞍上のゴーサインに応えて長い直線を駆け上がっていきます。

最後は2着馬に3馬身1/2差を付けて優勝しました。

 

 

本馬は当場の生産・所有馬です。

その経緯は旧ブログで以前書いているので、興味のある方はこちらからご参照ください。

芝の1勝クラスを勝っていたこともあり、近走は芝レースばかりを使っていましたが、最後の伸びでワンパンチ足りないレースが続いていました。

このきょうだいは芝・ダートどちらでも走れる面があるので、今回は新馬戦以来のダート戦でしたが、結果として見事なパフォーマンスで勝ってくれました。

前走からは短期放牧を含めて2カ月近く経過していますが、この中間は休養先の育成場さんと厩舎サイドのほうできっちり仕上げてくれてレースに臨んでいます。

レース後に大きなダメージはないようですが、現状は短期放牧を挟みながらレースをこなすほうが好結果が出ているので、このあとは一度短期休養に入る見込みです。

今回の勝ちっぷりを見ると3勝クラスでも楽しめそうなので、次走以降のバグラダスにも期待したいと思います。

 

【セプテンバーセール】上場馬1頭をご購買いただきました

2番牧草やノースブリッジの中山競馬場応援などでご報告が遅れてしまいましたが、9月21日に開催されたセプテンバーセール3日目に、当場生産の1歳馬2頭を上場しました。

№544オーパキャマラードの2022(牡、父カリフォルニアクローム)は残念ながら主取りでした。

№574ガーリッシュハートの2022(牝、父ローレルゲレイロ)はYTレーシングさまにご購買いただきました。

ご購買いただきました馬主様ならびに関係者の皆さま、誠にありがとうございました。

オーパキャマラードの2022に関しては、初仔ということもあって他の上場馬に比べると小柄だったので主取りという結果に終わりましたが、尻高でもあり2歳になってグンと良くなりそうな馬体をしているので期待しています。

ガーリッシュハートの2022に関しては、やや小柄な種牡馬ローレルゲレイロの産駒にしては牝馬ながら立派な馬体をしていて、JRA所属になるようです。

改めまして、このたびはセプテンバーセールで当場生産馬をご購買いただき誠にありがとうございました。

 

【セプテンバーセール】№574ガーリッシュハートの2022(牝 父ローレルゲレイロ)

9月21日に開催されるセプテンバーセール3日目に、当場生産馬2頭を上場予定です。

前回の№544オーパキャマラードの2022(牡、父カリフォルニアクローム)につづき、今回は№574ガーリッシュハートの2022(牝、父ローレルゲレイロ)を紹介させていただきます。

本馬の牝系解説文(ブラックタイプ)はこちらからご参照ください。

 

 

【9月7日現在】体高154cm 胸囲179cm 管囲19.7cm 馬体重435kg


 

本馬は現在、当場と同じ町内の育成場である育成公社さんに預けて、セール当日に向けてセリ馴致をしていただいてます。

父のローレルゲレイロは少し小柄でですが、その牝駒にしては十分な馬格を備えています。

父譲りの気の強さと、バランスの取れた馬体が本馬の長所だと思います。

その父ローレルゲレイロは当場生産馬で、芝のスプリントG1を2勝してJRA最優秀短距離馬に選出された馬です。

当場を代表するモガミヒメ牝系の出身であり、この牝系らしく気が強く先行力のある競走馬でした。

種牡馬としては、ダートのリステッドを2勝して交流重賞Jpn3北海道スプリントCで2着の実績がある現役馬アイオライトや、準OP勝ちの実績があるアイライン、さらに地方重賞勝ち馬のシークロムなどを出しています。

ローレルゲレイロ自身の血統的特長の一つとして、Drone≒Halo≒Nijinsky≒Careless Notionによる相似クロスが挙げられます。

 

上記で色分けした通り、これら4つの血脈はNearoやPharamond、さらにはBull Dog=Sir GallahadやMahmoudを持つ点で共通しています。

本馬の血統においては、そこにHalo4×4のクロスを加えることで、Drone≒Halo≒Nijinsky≒Careless Notionの関係を継続強化するイメージで配合しています。

また、本馬が持つSir Ivor5×5ですが、Sir IvorはDroneやHaloと血統的親和性が高い関係にあります。

このSir Ivorという血は、本馬の2代父キングヘイローにとって重要な血脈だと考えています。

彼の血統はSir Ivor≒Drone≒Haloのトライアングルができる血統パターンです。

 

2つの血統表に3頭分の血統表を入れてみました。

この比較でわかるようにSir Ivor、DroneそしてHaloはいずれも2代父がTurn-toであり、それぞれの母はPharamond系×Mahmoud系の組み合わせです。

また、いずれ血脈もSir Gallahadを持つ点で共通しています。

キングヘイローにとって重要な相似クロスであるSir Ivor≒Drone≒Haloに対して、本馬はSir IvorとHaloのクロスを持つことで祖先の競走能力の遺伝につながるのではと期待しています。

 

上述のとおり、本馬は父ローレルゲレイロ、そして2代父キングヘイローの血統傾向を踏襲した血統パターンになっています。

この種牡馬2頭の産駒傾向を見る限り、芝・ダートにかかわらず短めの距離に適性を示すのではないかと考えています。

 

本馬に関してお問い合わせがございましたら、牧場公式サイトからご連絡いただくか、当ブログに連絡先を添えてコメント欄にご記入くださるようお願いいたします。

当場から折り返し連絡させていただきます。

 

【セプテンバーセール】№544オーパキャマラードの2022(牡 父カリフォルニアクローム)

9月21日に開催されるセプテンバーセール3日目に、当場生産馬2頭を上場予定です。

今回はそのうちの一頭である№544オーパキャマラードの2022(牡、父カリフォルニアクローム)を紹介させていただきます。

本馬の牝系解説文(ブラックタイプ)はこちらからご参照ください。

 

 

【9月7日現在】体高151cm 胸囲167cm 管囲19.8cm 馬体重424kg


 

本馬は現在、当場と同じ町内の育成場である育成公社さんに預けて、セール当日に向けてセリ馴致をしていただいてます。

母オーパキャマラードの初仔ということもあり、牡馬ながらまだ小柄な部類に入る馬格です。

それでも、父母ともに芝・ダート両方で勝ち鞍がある血統背景を持つ馬であり、本馬自体の馬体も素軽いながらしっかりと身の詰まった馬体をしています。

気性的に勝った部分があるのはPulpit系種牡馬の産駒らしいとも言えますし、本馬の母系からもピリッとした気性をしている馬が多いので、そちらの気性を受け継いでいる可能性もあります。

 

父のカリフォルニアクロームは、3歳時に米G1ケンタッキーダービー(ダート10F)や米G1プリークネスS(ダート9.5F)の米二冠に加えて、米G1ハリウッドダービー(芝9F)を制するなど、芝・ダート問わず一流の成績を収めて米3歳牡馬チャンピオン、さらには米年度代表馬にも選出された名馬です。

加えて、5歳時には首G1ドバイワールドC(ダート10F)で優勝すると米G1も2勝して、再び米年度代表馬になっています。

その彼の日本における初年度産駒は現2歳になっていて、スプリングノヴァが先日、札幌芝1500の新馬戦を快勝しています。

米国に残してきた産駒からは米G2勝ち馬3頭出すなどしていますが、彼自身の競走成績からすると物足りない印象です。

ただ、北米で残してきた産駒の傾向として芝路線で活躍している産駒が比較的多いこと、またスプリングノヴァのように芝の新馬戦を勝つ馬が出ていることを考慮すると、ダート主流の米国よりも芝の主流レースが多く開催される日本の競馬のほうが合っているのかもしれません。

カリフォルニアクロームは、その父Lucky Pulpitがそれほどメジャーな種牡馬でないこと、牝系のほうもそれほど華やかではないこともあり、彼自身の血統には懐疑的な考え方もあるでしょう。

ただ、彼自身の持つ血統パターンはさすが米年度代表馬と思わせる見事な血統構成をしています。

まず、彼の母Love the Chaseの血統が魅力的です。

 

 

彼女は米国の名牝Numbered Accountを3×3で持つほか、Dance Number≒Polish Numbersの3/4きょうだいクロスまで持つ血統パターンです。

それだけでなくNot for Love、Polsih Numbers、Sir Ivor、Vaguely NobleそしてRibotと代々質の高い血脈が配されているのが、この牝馬の血統的長所だと思います。

本馬の配合においては、このうちのDance Number≒Polish Numbersの3/4きょうだいクロスを継続強化すべく、母方のスペシャルウィーク内マルゼンスキーの血を組み合わせました。

 

 

マルゼンスキーもまたNorthern Dancer系×Buckpasser牝馬の配合であり、Dance NumberやPolish Numberesとは血統的な親和性が高い関係です。

カリフォルニアクロームの血統に話しを戻すと、彼の父Lucky Pulpit内にSeattle SlewやSecretariat、Cozzeneといった血脈があり、彼の母Love the Chaseの血統にはSir Ivorの血が含まれています。

これらの血脈はNasrullah系×Princequillo系のニック、あるいはその派生形による血脈であり、このような血統パターンをしている馬には素軽いスピードや柔軟性に富んでいることが多い印象です。

実際、カリフォルニアクローム自身もダート路線で米年度代表馬2回を獲得している一方で、芝G1のハリウッドダービーも制するなど芝適性の高さも証明しています。

本馬の母オーパキャマラードもSeattle SlewやSecretariatを持っているので、カリフォルニアクロームの持つNasrullah系×Princequillo系のニックに関しても、息子である本馬の代でも継続強化する配合パターンになっています。

このように、父母それぞれの血統的特徴を活かせるような配合を考えて本馬が生まれたわけですが、本馬の代だけで見るならばLucky Pulpit≒ダンカークの相似クロスが一番大きな血統的特徴と言えるかもしれません。

 

 

この2つの血脈の関係性はLucky Soph≒Trolley Songによる3/4きょうだいクロスのほか、Pulpit≒Secret Statusの関係があるなど非常に親和性の高い血脈同士です。

このように、配合にさまざまな血統パターンを施した結果として本馬が誕生しました。

父カリフォルニアクロームが芝・ダート両方でG1勝ちがある種牡馬であること、また母オーパキャマラードもJRAの芝・ダート両方で勝ち鞍があるということで、本馬にも適性の広さが伝わってくれればと期待しています。

 

本馬に関してお問い合わせがございましたら、牧場公式サイトからご連絡いただくか、当ブログに連絡先を添えてコメント欄にご記入くださるようお願いいたします。

当場から折り返し連絡させていただきます。