米国のキーンランド11月セールにてルイヴィルファースト号を購買

11月8日から開催された米国のキーンランド11月セールに参加して、Girolamo産駒のルイヴィルファースト号を落札しました。

 

 

前回渡米して購買したのがハーランズルビーなので、久々の米国繁殖馬セール参加となりました。

円安の関係もあって、渡米前から購買候補を選ぶのがなかなか難しいセリになりそうな予感はありましたが結果的にその予感が的中してしまい、ファシグティプトン11月セールへのセール参加は下見はしたものの予算の関係もあって見送ることに。

その分、キーンランド11月セールのほうは1日目、2日目の上場馬の下見をしっかりして、さまざまなパターンを想定しながらセールに参加しました。

結果的に、Book1と呼ばれるセール1日目に上場されたルイヴィルファーストLouisville Firstを落札、購買することができました。

年齢が10歳ということでそれほど若くはありませんが、その年齢を感じさせないほどの張りのある馬体と、滑らかでしっかりとした歩様に下見段階から好印象を抱いてました。

彼女は、2024年度の米国繫養種牡馬のなかで種付料が最高価格タイのGun Runnerを受胎中です。

彼女の初仔(4歳)と2番仔(3歳)がいずれもGun Runnerの牡馬で、それぞれ米3勝、米2勝するなど実績を残している配合になります。

また、3番仔にあたる2歳牝馬も3戦して4着、3着、2着と来ているので今後勝ち上がる可能性は十分です。

さらに、1歳の牝駒は名種牡馬Tapitの産駒なので、彼女も米国で活躍してくれるのではと期待しています。

ルイヴィルファースト自身は、米国にてステークスを勝つなど16戦3勝。

彼女のいとこには米G1勝ち馬が2頭、さらにいとこの産駒にも米G1勝ち馬がいるなど、活力がある牝系出身なのも魅力です。

彼女自身、それほどメジャーな血脈は持っていないので、日本におけるサンデー系、キングカメハメハ系など主要な系統の種牡馬と配合可能なのも購買理由の一つであります。

血統を遡るとNasrullahやRoyal Chargerといったスピード系血脈の影響が強いように思われるので、この2頭の近親であるMahmoudを強く持つサンデー系種牡馬とは相性が良いのでは、と購買前から考えていました。

もちろん、NasrullahやRoyal Chargerの影響をさらに強く引き出すようなスピード系配合もいけそうです。

まずは、来春出産予定のGun Runnerの産駒を楽しみに待ちたいと思います。

 

クラブ募集馬2頭(当歳)の近況

クラブ募集馬(当歳)2頭の近況をお伝えいたします。

まずはローレルクラブ募集馬であるファーストチェアの2023からです。

 

 

10月末日時点での本馬の測尺は、以下のとおりです。

【体高】143cm 【胸囲】159m 【管囲】18.5cm 【馬体重】327kg

当場の当歳馬世代は1月生まれと2月生まれで過半数を占めますが、2月生まれの本馬も当場平均に比べて一回り大きなサイズになります。

馬房内にいるときは大人しい感じなのですが、放牧や集牧時にはまだ我儘な面を前面に出すなど、人間とのコミュニケーションという点ではまだまだ勉強が必要な馬です。

それでも、多くの会員さんにご来場いただき見学いただいてるので、馬房から出して1頭で馬を見ていただくことには慣れてきた印象です。

骨量や張りのある筋肉など、現時点では十分な成長を見せています。

本馬の見学の際に、高齢馬の産駒という点を懸念されている会員さんもいらっしゃいましたが、普段から馬を扱っている当事者からすると他馬よりむしろ健康的に成長していると感じています。

 

 

10月末日時点での本馬の測尺は、以下のとおりです。

【体高】140cm 【胸囲】152m 【管囲】18.2cm 【馬体重】269kg

ファーストチェアの2023に比べると数字上では差があるように、実際に他の当歳馬たちに比べると少し小柄の馬体です。

3月中旬の生まれというのは当場平均と比べると少し遅めの誕生日であること、また母ゼフィランサスが少し小柄な馬体というのも現時点では関係しているのかもしれません。

ただ、キビキビとしたバネの効いた歩様、丸みを帯びた張りのある四肢の筋肉などは明らかに本馬の長所で、俊敏性などは全兄ディープボンドの同時期より上だと評価しています。

脚元を含めて綺麗な骨格のつくりをしていて、将来に向けてそれほど崩れない感じで馬体の成長を遂げていきそうな印象です。

どっしりとしている反面、モガミヒメ牝系に共通する気の強さをしっかりと持っていて、この気の強さの度合いがどれほどになるかが本馬の距離適性のカギになってきそうです。

 


 

先週まで米国の繁殖馬セールに参加していた関係で、帰国後に溜めていた仕事をこなすなかで、クラブ馬の近況報告が遅れたことをお詫びいたします。

すでに前回の測尺から半月が経過していて、2頭ともだんだんと馬体的な幼さが抜けてきて、それぞれ馬体に個性が出てきそうな時期を迎えています。

同じ放牧地で順調に昼夜放牧できているので、これからの冬期の昼夜放牧に向けて、しっかりとボディコンディションを整えていきます。

 

ターファイトクラブ募集馬ゼフィランサスの2023(牝 父キズナ)が満口に

日付が経過しておりますが、今年のターファイトクラブ当歳馬募集におきまして、当場より提供させていただいたゼフィランサスの2023(牝、父キズナ)が即日満口になりましたことをご報告いたします。

 

 

10月24日からの当歳馬募集開始でしたが、それに先立って当歳馬の見学ツアーや大阪での募集馬検討会にて多くの先行予約をいただくなど、募集開始から人気になってくれるかもしれないと期待しておりました。

結果として、即日満口扱いで抽選対象にまでなるなど、多くのターファイト会員の皆さまから出資予約をいただきました。

抽選を突破して出資会員になってくださった皆様には御礼申し上げますとともに、今後ともよろしくお願い申し上げます。

また、出資予約をいただいたのにもかかわらず抽選漏れされた方につきましては、ご希望に添えることができず深くお詫び申し上げます。

本馬のほうは、相変わらず標準より少し小柄ではあるものの順調に成長しております。

即満口にしていただいた馬ということで今まで以上に責任を感じながら、彼女が立派な競走馬として成長できるように当場としてもしっかりと飼養管理していきます。

改めまして、このたびは多くの方々にご出資いただき誠にありがとうございました。

 

当場生産馬のミトノユニヴァースが名古屋2歳重賞のネクストスター名古屋を快勝!

10月31日の名古屋第11Rネクストスター名古屋(2歳重賞、ダート1500)に、当場生産馬のミトノユニヴァース号が出走しました。

 

 

転籍初戦の前走を勝ったこともあり、重賞の舞台ながら1番人気でレースを迎えたミトノユニヴァースはスタートを無難に決めて、中団あたりで最初のコーナーを回っていきます。

向こう正面に差し掛かる頃には先頭集団に取り付いて、さらに第3コーナーを回るあたりではすでに先頭に立っていました。

最終コーナーを回って力強く伸びていったミトノユニヴァースは、結局2着馬に5馬身差を付けて優勝しました。

馬主様ならびに関係者の皆さま優勝おめでとうございます。

本馬は昨年のサマーセールに上場したものの、背ったるの馬体が嫌われてか、残念ながら主取りとなった馬です。

それでも、その後に縁あって現オーナーに庭先にてご購買いただきました。

地方競馬のなかでも2歳戦のレベルが高いホッカイドウ競馬で勝ち星を挙げるなど、着実に力をつけてきたミトノユニヴァースは、その後に名古屋競馬に転籍。

前走、そして今回の重賞に連勝するまでに成長してくれました。

本馬は血統的にディープボンドの甥にあたる血統で、母タイセイアヴァンセにとっては初仔になります。

私個人の考えでは、タイセイアヴァンセには名種牡馬Danzigの血や名牝Specialの血が入っている種牡馬が合うのでは、と考えていました。

そのため、初仔のミトノユニヴァース(父ロジユニヴァース)と1歳の全弟の血統には、Danzig5×5のクロスがあります。

また、今年の当歳牡馬に関しては、父リオンリオンがSpecialの血を2本持っています。

さらに、タイセイアヴァンセが現在受胎しているジャンダルムとの配合では、ジャンダルム自身がSpecialの血を持っていて、来年生まれる予定の産駒はDanzigクロスを持つことになります。

ミトノユニヴァースがこれだけ走ってくれているので、今後生まれてくる産駒にも期待したいと思います。

改めて馬主様をはじめ関係者の皆さま優勝おめでとうございました。

 

【ターファイトクラブ募集馬】ゼフィランサスの2023(牝 父キズナ)

明日の10月24日より、ターファイトクラブの当歳馬募集が始まります。

当場からはゼフィランサスの2023(牝、父キズナ)を提供させていただきましたので、本記事では彼女のことを取り上げようと思います。

 

 

本馬は3月18日生ですが、当場のなかでは決して早い生まれではないため、離乳に関しても後半の組で離乳しています。

すでに当場の1歳分場(高江第1分場)に移動済みで、ローレルクラブ提供馬ファーストチェアの2023たちと一緒に昼夜放牧されています。

立派な馬格の持ち主だった全兄ディープボンドの同時期に比べると、牡牝の違いがあるとはいえ、標準もしくは少し小柄な馬体だと言えます。

ここまでの母ゼフィランサスの産駒傾向はどちらかと言えば父似の産駒が多く、全兄ディープボンドも父キズナに似て立派な馬格を備えています。

ただ、本馬の場合は、現時点では母似の少し小柄な馬体をしています。

ディープボンドは堂々たる馬格の持ち主で、馬主様のために毎レース一所懸命に走って結果を出してくれる馬ですが、末脚という点ではやや切れ味に欠ける印象です。

一方で、全兄に比べて本馬がやや小柄な牝馬に出てくれたことはむしろ好都合だと個人的には考えていて、牝馬であることも含めて、全兄より素軽く切れ味のある競走馬になってくれるのでは期待しているところです。

すでにターファイトクラブの公式サイト上では彼女の立ち姿や歩様を確認できると思いますが、立ち姿のシルエットは父キズナ、あるいは全兄ディープボンドの幼少時に雰囲気が似ています。

母ゼフィランサスは、キングヘイロー産駒らしく重心が低い馬体なので、本馬が父似の馬体をしていることは明らかです。

また、彼女の機敏な歩様からは運動神経の良さを感じさせますし、その歩様も柔らかく素軽い歩きを見せてくれます。

程よい繋の長さや角度、そして全体のシルエットや全兄ディープボンドの競走成績から推測すると、現時点では芝馬になる可能性が高いと考えています。

彼女のどっしりとした気性に関しては、当歳馬募集に先駆けて実施された見学ツアーにて、実際に当場を訪れてくださった会員の皆さまがご覧になられた通りです。

人慣れしたところがありますし、他の当歳馬たちと比べても大人びた気性をしています。

ただ、この牝系らしい気の強さを見せることはありますし、その部分はこれからも持ち続けてくれたほうが将来の競走成績にも繋がると考えています。

 

本馬の父キズナに関しては、種牡馬入りして初年度産駒が3歳世代になった2020年から今年に至るまで種牡馬ランキングトップ10を維持するなど、ディープインパクト後継の一頭として優れた産駒成績を残している名種牡馬です。

その内容もG1を3勝しているソングラインやG1エリザベス女王杯勝ち馬アカイイトなどの活躍牝馬を出す一方、本馬の全兄ディープボンドが国内外重賞を4勝するなど、牡牝問わず重賞クラスの馬を輩出しています。

先週のG1菊花賞でも4、5着馬がキズナ産駒であることは記憶に新しいところです。

キズナはディープインパクト産駒ですが、そのディープインパクトの血と、本馬の母父キングヘイローの血は血統的に親和性の高い関係です。

 

 

いずれの血脈もHalo、Lyphard、Sir Ivorの血を持つ点で共通していて、さらに両馬ともJRAの芝G1勝ち馬ですから、この2頭の影響を強く受け継ぐ本馬のような配合においては、芝路線で高い競走能力を有するのではと考えています。

馬体的にはディープインパクト、キングヘイローともに少し小柄なタイプの馬なので、本馬の標準~少し小柄に属するその馬体もこの血統背景が関係しているのかもしれません。

実際、本馬の小さな顔などはディープインパクト産駒によく見られる馬体的特徴でもあります。

また、キズナの母父Storm Catと本馬の3代母モガミポイントとの間にも相似クロスが発生します。

 

 

こちらはStorm Bird≒Nijinskyの関係があり、なお且つSecretariat≒ボールドラッドによる3/4同血クロスの関係があるなど、Storm Cat≒モガミポイントの相似クロスは全体に北米のスピード血脈を強化する内容になっています。

全兄ディープボンドが見せてくれる良馬場、重馬場問わない力強い走りなどは、このStorm Cat≒モガミポイントに起因するかもと感じることがあります。

本馬は全兄よりは素軽い馬体をしているので、Storm Cat≒モガミポイントの影響よりも、どちらかと言えばディープインパクト≒キングヘイローの影響のほうが強いと言えるかもしれません。

 

見学ツアーでどっしりとした当歳牝馬らしからぬ堂々とした振る舞いだった本馬ですが、手入れの際などは我儘で幼い面を見せるなど、馬体・気性ともにまだまだ成長の余地があります。

来年夏以降の育成場への引き渡しに向けて、今後ともしっかりと飼養管理に努めて、彼女の成長につなげていきたいと考えています。

北海道での見学ツアー、そして先週大阪で開催された検討会が終了したなかで、会員の皆さまからすでに多くの先行予約をいただいているとクラブ側から聞いております。

もちろん募集の残口はまだありますが、もし本馬に対する出資を決めてくださっているのであれば、明日から始まる当歳馬募集でどうかお早めの予約をお願いいたします。

なお、全当歳馬の測尺を今月末から毎月実施予定であり、本馬の測尺については来月以降のクラブ募集馬の近況報告のなかでご紹介できる予定です。

あらかじめご了承ください。