2026年09月30日
9月27日の中山第11RのG1スプリンターズS(芝1200)に、当場生産馬のピューロマジック号が出走しました。

サマースプリントチャンピオンを目指していたこともあって夏に3戦し、4戦目となるこのレースを迎えるにあたっては、厩舎サイドからも消耗はあるとのメディアコメントがありました。
その流れもあってか、ピューロマジックはレース本番を9番人気で迎えます。
私は、将来跡継ぎとなる予定の貴宣とともに現地応援に行っていました。
パドックではテンションが上がり切らずに厩務員さんが要求するペースで歩けていたと思いますし、馬場入りする際も厩務員さんが放すまで我慢が効いていたように見えました。
また、その返し馬もニュートラルな感じで入っていったので、パドックからの一連の流れに彼女の大きな成長を感じていました。
レースは五分のスタートでしたが、彼女の武器である二の脚の速さで大外枠から一気に先頭に立ってレースを進めます。
稍重発表の馬場だったとはいえ、それまでのレースの走破タイムを見ていると発表以上にタフな馬場なのだろうなと思い、レースが終わるまで無事にゴールしてくれとの思いで彼女のレース姿を見ていました。
そうこうしているうちに最後の直線までやってきたわけですが、ここから彼女にとっては鬼門とされてきた坂を迎えることになります。
ただ、そこに至るまで逃げながら抱えることができていたように見受けられましたし、余力を持って直線を迎えたようにも見えました。
この馬場のためか、後続が詰め寄ることができないなか、ピューロマジックは最後まで集中を切らせずに坂を駆け上がっていきます。
さすがに坂の走破タイムはかかったようですが、後続も同じような状況のなか、最後は2着馬にクビ差を付けて優勝しました。
ピューロマジックの馬主様をはじめ関係者の皆さま優勝おめでとうございます。
本馬は、2022年のセレクションセールにて現在の馬主様にご購買いただきました。

写真画像は、知り合いの競馬ライターの方を通じてカメラさんのご厚意でいただいたものです。
改めて素敵な写真をいただき誠にありがとうございました。
G1スプリンターズSを制したローレルゲレイロから17年を経て、再びG1スプリンターズS制覇というのは不思議な感覚です。
今回のG1制覇については、鞍上の岩田望来騎手の好騎乗もあったと思います。
難しい馬場コンディションのなか、彼女の能力を最大限に活かしてくれた騎乗ぶりでした。
また、夏3戦を終えてのG1挑戦という流れを考えても改めて厩舎サイドの調整能力の高さ、そしてオーナーのご理解があってのG1制覇でした。
当場としても強い馬づくりを意識しながら業務にあたっていますが、今回のG1勝利はオーナーと厩舎サイド、そして鞍上の好騎乗のおかげだと思っています。
当場は、生産牧場のなかでも牝系を育てることが多い牧場です。
モガミヒメ牝系からは、この牝系を育てるなかでローレルゲレイロやディープボンド、ノースブリッジが出てくれました。
そして、1996年に米国キーンランドノベンバーセールでカスパースカイゴールドを購買し、その時に受胎していたメジェールからも牝系を拡げてきました。
そのメジェールの牝系を当場内で大切に育ててきて、長い時を経てピューロマジックによるG1制覇までたどり着いたことは、個人的に大変感慨深いものがあります。
カスパースカイゴールドの導入まで遡れば30年の物語になります。
いまはまだG1制覇からの週明けなので、私のほうもバタバタとしていますが、そのうち時間があれば今回のG1制覇に寄せてこの牝系の血統や配合の歴史に触れておこうと思っています。
おてんば娘だった若駒時代や現役屈指のスピード馬にまで成長したこと、あるいは坂が苦手と言われてきたことなど個性的なエピソードにあふれる馬ですが、この先も彼女のことを愛して応援してくださると大変嬉しいです。
改めまして、G1スプリンターズSでは多くの競馬ファンの方々に応援いただきまして、当場より心から御礼申し上げます。

